かわいい古代 インダス文明の宇宙人?

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 2月は今日でお終い。今朝、住宅街の一角に沈丁花の香りが漂っていました。暖かな日には、香気の発散が増して香りが強くなる。毎年、この香りを聞くと、冬の終わりを感じます。

 かわいい古代、ついでにもう一つ。パキスタンアフガニスタン国境沿いのクエッタ近郊の発掘品。この辺りは古代インダス文明圏です。

 同じサプライヤーから彩文土器やコブウシの土偶なんかも一緒に入手している。

 動物のような怪獣のような・・・人ではないし、牛や馬、ヤギ、羊、犬、猫でもない妙な動物。材質は粘土を素焼きしたテラコッタです。

 めくれ上がったクチバシみたいなヘンテコな鼻、下顎は平べったく小さい。トカゲ、竜? 猪、豚の類? アヒルとか鳥ではないし、こんな動物、いるんだろうか。

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 同じ州のメヘルガルからは、宇宙服を着たエイリアンみたいな小さい土偶も発掘されていて、まさかこれも宇宙人? 顔つきからするとレプテイリアン(ヒト型爬虫類)か?

 なるほど、それなら変な顔してるのも納得できます。でも、かわいくて、そして、なんか抜けてる感じ。高度な知性とか、あるいは攻撃性とか、そういう雰囲気はありません。こんな宇宙人、いるんでしょうか。

 面長でまん丸の目、マンガっぽい鼻、見た人は、思わずブッと、笑います。 ひょっとこみたいと言った人もいました。そういえば、ひょっとこのお面、あれってレプテイリアンじゃなの?

 古代の発掘品といっても、現代人の目には、ふざけ半分で作ったみたいに見え、ふつうイメージしている古代っぽくはないんですね。

 そんなところが、「かわいい」にプラスして現代っぽい「ポップカルチャー」的なものとしてあげてみた理由でした。

 

 南太平洋で発見された鼻で歩く特異な動物の話、『鼻行類ーー新しく発見された哺乳類の構造と生活』って本がありました。鼻で歩くというアイデア、かなりの奇想です。

 耳で空を飛ぶダンボよりも、奇想さ、変さ加減では上いってるように感じる。

 鼻を使って歩くって・・・なんなのでしょうか、この澱(おり)のような情感。

 ブリューゲルの絵なんかと通じる何か得体の知れない情感。画家は、人が目に見える形で表現するのですが、文章は読み手が頭の中で著者のイメージを再現する形をとるので、より抽象的でその分、気味が悪い。

 不思議とか、神秘とか、そういう系統の情感とはちょっと違う。

 あえて言葉にすると、現象世界のいちばん表面にありながら、これまで誰も思いつかないイマジネーションがあることに気づいたとき、3次元世界の現実に死角があるなんて思ってもみなかったこと、そんな比喩になるでしょうか。

 

 怪異な相貌ということでは、古代中国の玉の彫り物、漢代やそれ以前のものによくあります。あるいは古代エジプトギリシャ、ローマ時代の発掘品をはじめ世界各地で発掘された神像には、現実の人や動物ではありえないような相貌をしたものがたくさんある。

 でも、自分の知ってる限りでは、顔の造形でデフォルメされているのは、主に目と口で、それに比べると鼻や耳は影が薄い。耳は外縁部の側面についているので、存在感が薄いのはもっともかもしれませんが、鼻はまさにど真ん中にありながら影が薄い。

 頭の中の思考、空想、想像、妄想ならなんでも考えられる、過去や未来だって考えられる、人間の究極的な自由は思考だと語っていた人がいた。『死霊』という小説の作者の最晩年の言葉で、以前はこの人の文体や評論の雰囲気に呑まれてて、そうだ、そうだと思ってましたが、どうなんでしょうか?

 案外、人類のイマジネーションって類型化されているのかも。ユングはそれを元型と言ってました。

 そういえば、現代のマンガ、アニメでも、人の鼻はあるような、ないようなぐらいに描かれてる。まあ、二次元なので凹凸はしょうがないのか。

 

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