ガザニアの花から横道に逸れて・・・

 ガザニアの花。例の弦巻のコンビニで野菜のアイスプラントを買ったとき、向かいの棚に並んでいた鉢が目に入った。やっぱり第一印象が大きい・・・輪郭が異様にくっきりした花、なんか気になり一緒に持ち帰ってきた。

 写真だとなんかチープな造花っぽく、人を幻惑させる生花のリアリティが欠けてしまっているのが残念。女優の人で、写真・画像ではそれなりに見えるぐらいでも、生身の現物(?)を目にすると、異星人としか思えないような人がいる。

 南アフリカ原産のキク科の植物で、これは園芸品種。和名はクンショウギク、誰が名付けたのか勲章の旭日章に似てなくもない。ついでにマケドニアの国旗もそうかな。

 見比べると配色は、シルクドソレイユの衣装を彷彿とさせるガザニアの方が勲章よりもゴージャス。日本の植物の花は、丸っぽい花弁が多いけどガザニアの花弁は鋭角的で、セルロイドの造花のようにも見える。

 見慣れないものを目にしたときの「!」という驚き、ガザニアの花にはそれがありました。それにしても、ビニールポットの鉢で110円と安い。

 

 なるほどね、急に大上段な話になりますが、「美」について思い浮かんだ。「美」って言葉は、まず最初に、自分でもよく分からない、言葉にならない精神的インパクトというか一種の感動があって、それがなんかの出逢いで突然、起きたとき、遡及して、それを生起させた対象につけた言葉、形容詞なのではないか。

 だから原点は、自分の中でそんな情動が起きたか、起こらないかったというところにある。つまり直感の働き。

 110円でこんなにビックリするなんて、妙なもんです。お金の価値とは、無関係なところが小気味いい。

 

 日当たりのいい場所に鉢を置いていたら、次々に新しい花が出てくる。 その日の天気により、日光に反応して花がパラソルのように開いたり、閉じたりする。動く植物、ちょっと奇妙です。

 このところ連日の酷暑にアジサイの葉は、しなだれている。一方、ガザニアの葉には、酷暑が心地いいようで、元気一杯といった感じで繁っている。葉の勢いからして、ガザニアは原産地では雑草なのではないか。

 植物好きの友人に聞いたら、東伊豆の大室山の近くに住んでいる人ですが、近所でガザニアが増えているとか。 あそこは休火山で、道端の岩の隙間にガザニアが増殖し、何十と花が咲いていると言っていた。

 

 どうやら外来の雑草と見ることもできるようです。・・・そういえば、家のまわりに見慣れない雑草が繁殖しているのが気になっていた。昔は、こんな雑草、なかったのに。

 小さな葉、小さな花、よく見るとけっこうきれい。でも、あまりに小さいので、誰も気にしていない。これは外来種ツタバウンラン(写真・左)という観葉植物でした。日陰でも、ブロック塀の隙間でも、舗装された道路の縁でも、這うように茎を伸ばしている。それからヒメツルソバ(写真・右)、これも同様に道端に広がっている。

 ともに繁殖力が旺盛で、土がなくても育つので、都市の舗装された場所にうまく適応している。

 

 近くの公園にはグリーンの鳥、ワカケホンセイインコが群れをなしている。

 以前から近所に、タヌキ、ハクビシンはいたが、最近、アライグマとアナグマが現れた。このあたりでは、観葉植物やペットだった動物が生息圏を広げている。

 かっては、食用のため、あるいは毛皮を取るために移入し、養殖していた魚や動物、鳥が野生化したケースが多かったが、平成ぐらいからペットが放されたか逃げ出し、野生化している。 

 ヌートリアが西日本から東進してきて浜松あたりまで来ている、房総半島のキョンが北関東に向かっている、鎌倉ではタイワンリスが跋扈しているとか、自分としてはワクワクしている。・・・ああ、農業や住環境のような社会的な問題は捨象した夏至の夜の夢、シャガールの絵のような人獣同衾世界に遊んでるんですが。

 

 それにしても、まだ6月でしょ、連日、35度を越えている。コロナでまる二年蟄居のうえ、これじゃあ日本の梅雨の風情、まるでない。

 そんなことにクサクサしていると、ワカケホンセイインコの笛みたいな、ウシガエルの船の汽笛みたいな、コジュケイの人の喋り言葉みたいな鳴き声、みんな外来種で、鳴き声が耳につき、だんだん疎ましくなっている。態度だデカイ、じゃなくて声がデカイ。・・・いつの間にか、ワクワクしてると書いていたのと反対のことを言い出してる。

 コイは実勢、外来種のようだし、哺乳類でも人間については在来種とかそんなこと誰も言ったりしない、気候からして亜熱帯化している。・・・書いている途中、梅雨明け宣言があった。観測史上、最も短い梅雨だったとか。

 地曳き網でブラックバスを獲るイベントを観光の新しい目玉にする・・・長野の木崎湖でやってるそうですが、低成長・コロナ禍のご時世、それが地元経済を潤すならば、外来種とかそんなこと言ってらんない。

 

 著しく目立つ奴ーーそれがハクビシンなのか、キョンなのかーーは、出た杭は打たれるでしょうがないでしょうが、現実的には問題を先送りにしてくってことではないか。

 無作為というよりも不作為。気持ち的に、動物側に味方してるので、こんなこと言っている。

 今から60数年前に出版された本を読んでいると、この日本の国土に8700万人の日本人が暮らしていると、人口過剰のような言い方で書かれている。でも、当時の人口は、現在の人口の約7割だった。辻政信『次の世界大戦』(昭和30年発行)・・・変な本です。

 著者は、毀誉褒貶の絶えない元軍人だった人。この人の頭の中では、戦後、海外領土を失った日本の国土に8700万人の人口は多すぎると思ってたんですね。

 現在、将来の人口減少を憂慮する雰囲気があるけど、別に、たいしたことでもないんじゃないの? この60年間が人口のバブルだったってことでしょ。生産力や経済力と人口は関係ないーーこれからはそんな世界になるのではないか。

 それより出自はペットであろうと、いろんな野生動物が増えたら楽しいんじゃないか。

 

 いまイギリスは大変なインフレだそうで、テレビを見ていたらフィッシュアンドチップスが、日本円で1700円だとか。円安もあるんでしょうが、えーって感じです。

 タラの大きな切り身の塊を揚げたのが入った包み、新聞紙を折って作った大きなカップでしたが、一緒に大きなフライドポテトが詰め込まれていた。タラもポテトも容器もみんな大きいってのが特徴。

 ホクホク、サクッとしたタラのフライにあら塩をふり食べる。素材のシンプルな味・・・タラの味の直球勝負って感じ、ドーンとしたボリューム、いまも覚えている。

 あれは、ずいぶん前でしたが、確か5〜600円じゃなかったか(うろ覚え)。1700円って信じらない。一体、どうなっちゃってるのか。

 そういえば、スリランカも、5月の消費者物価が45.3パーセント上がったとか。スリランカは、いろんなフルーツがあって、よく路上に並べて売ってる人がいた。

 農園で作ってるようには思えない、不揃いな、近くに生えている木からもいできたような果実。でも、自然のフルーツって、これなんだなと開眼したのを覚えている。内戦の末期のことで、それ以前から現在に至るまで混乱が延々、常態化している。

 

 コロナのバンデミックとロシアのウクライナ戦争は、互いに一応、無関係な出来事ながら、世界中で連鎖的な負の合力になっている。「一応、無関係」と書いてるけど、コロナが健康状態に問題のあったプーチン個人のマインドに影響を与えてたようなので無関係でもないのですが。

 これが21世紀のトレンド? ってことは、未来は「夢のあと」みたいな世界が現れるんでしょうか。ああ、夢の跡ではなくて、夢の後。

 

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You Tubeの脱兎とモナカのおもしろ話し 浅草探検『塔と異界』前編

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