2021-01-01から1年間の記事一覧

天の声/池波正太郎の映画論とマズローの自己超越

12月の快晴の朝、駒沢給水塔の近くを歩いていたときのこと。 このあたりは高台の閑静な住宅街で夜遅くなると人通りは少ない。深夜、道路の反対方向からやってくるタヌキと鉢合わせすることがある。真正面から見るタヌキの顔は、一見、犬のポメラニアン、たて…

イ-16戦闘機と坂口安吾と機能美

前回のブログ、椎の実の話しのなかで、大きくて丸っこい形の実を1930年代のソ連(ロシア)の戦闘機イ-16のようなイメージと書いた。 上の写真は、1998年、ニュージーランドのワナカで開催された航空ショーのイ-16。なんだかオモチャの飛行機みたい。 そうい…

椎の実を食べる

(塔の話しで・・・昨日の夕方、京葉道路の小松川橋から見た船堀タワー(115メートル)。 西日を受け、眩く光る塔。荒川の川面に黄金色の反射像が映っている。車から見た一瞬の光景でしたが、凡百の現代アートより1000倍はいい。美麗です。 このあたりの荒川…

ふたつの謎の塔と戦後モダニズム建築

(上の写真、昨日、撮ってきました。今日は冷たい雨、このところ天気がコロコロ変わっている。築57年ですか、きれいに塗装されているので秋の陽に映え、真新しく見える。) 謎の塔・その1 塔の話しの続きです。「塔は、駒沢オリンピック記念塔、駒沢給水塔、…

風の快感

(前回、塔の話しでまだ途中でした。上の写真は、かつて上野の不忍池の近くに建っていた通称「五重塔ビル」。高さ112メートル、26階建の高層ホテルで1994年から2007年までの13年間存在した。当時は変な形のビルと言われてましたが、時代を超えた独創的な建築…

枕草子に「塔は」がないので・・・

(駒沢給水塔。 高さ33.6メートル、ずん胴の円筒形、屋上は王冠みたい、真ん中に球の飾りが特徴。江戸川乱歩はこの塔を見て怪人二十面相のアジトをイメージしたとか。大正時代に建設され、現在は閉鎖されているので事実上、よく補修・整備されている廃墟とい…

乳香、グリーンホジャリの若木

乳香(フランキンセンス)の若木。新しい葉が次々と出てきた。 先月のはじめ、梅雨の長雨で枝葉がみんな落ちてしまった。細長い棒みたいな茎のまま一ヶ月がすぎ、日本の気候では無理だったのかなと諦めかけていた。 8月になり盛夏が戻ってくると、茎の先に小…

新石器時代の矢尻と死海文書

上の写真は、北アフリカのサハラ砂漠に落ちていた石器。砂が風に飛ばされ、地形が変わると埋まっていた石器が地表に出てくる。フランスの業者(トレジャーハンター)が拾い集めてきたものを譲ってもらった。 サハラ砂漠は、アフリカ大陸の北部11カ国にまたが…

快楽について考える

梅雨の長雨、窓際に置いて眺める観賞用カボチャ。坊ちゃんカボチャとかブッチーニとかいろんな品種がある。左の卵と見比べ、小さいなーと感じるがこれで成果、食べれます。カボチャのプリンはお勧め。 人間の知っている快楽の種類って「パンとサーカス」の古…

芳村正乗の書、西郷と明治天皇、 宮古島のパルダマ

神の字の「申」がクルクルと回っているのはカミの顕現と見た。カミの憑いた字。トランス状態になって書いていたのではないか。神と言っても、聖書やコーランの神ではない。神社に祀られている神々が登場する以前の弥生時代のアニミズムのカミ。 古事記以前の…

都会のタヌキ/そこらへんの草のイタドリ/多頭飼育崩壊とシャーマニズム

上の写真は近所の線路を横断中のタヌキ。二匹いましたが、一匹はすでに渡りきって見えない。今週のはじめ世田谷線の松陰神社前駅と若林駅の間にある踏切から撮りました。 世田谷線は三軒茶屋と下高井戸の間を結んでいる二両編成の鄙びた路面電車。全長5キロ…

チベットの「犬葬」/犬の共感性とソラリスの海

(芝生に現れた小さな穴。周りに地中の土が微小な球になって積もっている) 朝、犬のJを連れて歩いている。近くの公園にある芝生の敷地をよく通る。冬の季節、芝生は枯れていて、ところどころ土の地面が表れている。 3月の初め、敷地内に小さな穴がたくさん…

富士山と貧乏飯と飯場料理

真冬の朝、手前の丹沢山地の奥に真っ白の富士山、見とれるばかりで言葉が出てこない。とってもいい。富士山の左の稜線に頂上が接しているのが大山(1252メートル)。 小田急線の代田駅から撮りました。駅の崖下には環七が通っている。駅前の正面、西の天地が…

蝋梅の香り/寒ボラの臍(へそ)/江戸前の鮨

陽が少し長くなってきた。宵の口、東上野の寺町を歩いていると、ふわっと仄かに甘い香りが漂っている。道路脇にある小さな寺の庭の蝋梅(ロウバイ)でした。 蝋梅の花は大寒のころに咲く。毎年、この香りを聞くと、新しい一年が動き出したんだなと感じます。…